NLP ではスキルを獲得する団塊を五つのレベルで分類しています。

第1段階：無意識的無能力

このレベルは、全く知らないのでできないというレベルです。

例えば、英語という外国語を知らなければ喋れないというようなレベルです。

他には、野球というスポーツを知らなければ野球ができないというような感じです。

第2段階：有意識的無能力

このレベルは、知識レベルでは理解しているが実際に行動することはできないというレベルです。

例えば、私たちは中学校高校と英語の勉強を6年間以上もしていますが、ほとんどの日本人の学生は英語を喋ることができません。

他には、野球というスポーツをテレビで見て知ってはいるけれども、実際にキャッチボールができたり、球を打ち返すことができないというレベルです。

第3段階：有意識的有能力

このレベルは、 レベルで理解していることが実際に行動できるというレベルです。

例えば、英語の勉強をしてきた人が、英語を使って頭で考えながらであれば外国人とコミュニケーションができるというレベルです。母国語の日本語のようにしゃべるレベルではありません。

他には、野球というスポーツを理解していて、実際に最低限の試合が出来るレベルです。どうにか野球というスポーツは出来るようにはなっていますが、考えながら行動しているレベルです。

第4段階：無意識的有能力

このレベルでは、行動する際に頭で考える必要がないレベルです。 意識的に考えながら行動するのではなく頭で考えずに無意識に行動できるレベルです。

例えば、英語を話す場合、母国語の日本語のようにいちいち考えなくてもしゃべれるレベルです。頭の中で日本語から英語に変換するような考えるプロセスはなく、ダイレクトに英語で考え喋れるレベルです。

他には、野球では頭で考える前に体が動いてしまうというレベルです。スポーツではトレーニングで反復練習を繰り返すことで、頭で考えずに身体が反射的に行動を起こす学習レベルです。コンマ何秒を 競うスポーツの世界では、頭で考えて反応していては遅すぎるからです。

第5段階：無意識的有能力を意識する

このレベルでは、頭で考えずに無意識で行動している行動を、仕組みとして理解し、他人に伝えることができるレベルです。

例えば、英語を母国語のように話せる人が必ずしも他人に英語の仕組みを教えることができるとは限りません。しかし、 第5段階の学習レベルにある人は、自分が無意識に行なっている行動を仕組みとして他人に伝えることができます。


他には、有名な長嶋茂雄元監督の言う様に「ビュッと来た球を、グッといれて、バーンと打ち返す」なんて説明されても、教えられた選手は再現することはできません。長嶋さんは優れた第4段階の学習レベルの人で名選手ではありますが、名コーチではなかつたと言われています。

学習の5段階を理解することで、自分が獲得しようとしているスキルのどのレベルにいるかを認識することができます。

ここで大切なのは、第2段階と第3段階の違いです。

現代のようにインターネットでどんな情報でも手に入れる時代になると、有意識的ではあるが有能力ではあるとは限らないということです。

逆に言うと、知識としては知っている（有意識的）ではあるが、実際にやってみるとできない（無能力）の段階である人が非常に多くなっています。

「知っている」と「出来る」は全く違うレベルやることを意外と認識していません。

現実世界では、頭で思った通りに体が動きませんし、頭で思い描いた通りの結果は簡単には出ないのです。

結局、第2段階から第3段階にレベルアップするためには、反復行動が必要となります。

反復行動とは、繰り返しのトレーニングであり、努力を伴います。

また、スキルを獲得するまでのトレーニングは上手に出来ない結果の連続であり、失敗を過度に恐れる人たちは練習を続けることが出来ません。

練習を続けられない人は、第3段階の有意識的有能力＝「出来る」のレベルに到達出来ません。

第3段階に到達出来なければ、第4段階の「無意識に出来る」レベルにはなれません。

学習レベルを高める為には、成長を自覚し楽しむ環境が大切となります。

第5段階の良き指導者に学びましょう。