【立場が変わると世界が別世界に変わる】



ポジションチェンジとは、自分のポジションを変えることによって、見え方が感じ方が変化することを体感するテクニックです。



NLPでは、3つのポジションを設定しています。



第一ポジション 私の視点

体験を私のポジションで見て聞いて感じる立場。



第二ポジション　相手の視点

体験を相手のポジションで見て聞いて感じる立場。



第3ポジション　傍観者の視点

体験を外部のポジションで客観的に見て聞いて感じる立場。



ポジションチェンジのやり方



ステップ0、椅子を2脚用意し、自分の座るポジションと相手の座るポジションを決めます。



ステップ1、まず自分のポジション（第1ポジション）の椅子にかけて、自分の気持ちをしっかりと言葉で伝える。



ステップ2、次に、2つの椅子から少し離れた傍観者のポジション（第3ポジション）に立ち、第一ポジションで話している自分を客観的に観察する。



ステップ3、次に、相手の（第二ポジション）の椅子にかけて、第一ポジションに座っている自分の発言内容を受け止める。

その時、相手の立場で、何を感じたか、フィードバックを言葉にする。



ステップ4、再び第3ポジションに戻り、第一ポジション、第二ポジションのそれぞれの立場の発言を客観的に分析します。



ステップ5、最後に再び第一ポジションに戻り、第二ポジション第3ポジションで感じた気づきをもとに、どのような変化があったかをフィードバックします。



NLPのポジションチェンジで重要なのは、ただ頭の中で相手の立場になったと言う仮定の話ではなく、実際に場所を変わって観察することを重視します。



知覚する位置が違うと見える世界がずいぶん違うことを体験してください。



具体例



第一ポジション　私（娘）

第二ポジション　母親

第3ポジション　第三者



ステップ1、第一ポジションである娘の意見。

本当はいろいろやりたいことがあったのに、お母さんはいつも私のやることに反対していた。私はお母さんの奴隷ではないので、自分のやることを全て否定する母親のことが大嫌いです。



ステップ2、第3ポジションである第三者の意見。

娘の言葉は非常に感情的であり、少々攻撃的な印象を受ける。母親が娘のことを本当に奴隷のように思っているのだろうか？本当に全てを否定しているのだろうか？



ステップ3、第二ポジションである母親の意見。

お母さんは、あなたの自由を束縛するつもりはありません。ただあなたに傷ついて欲しくなかった。私が若い頃にした同じ過ちを繰り返してもらいたくなかった。だから、あなたがやろうとしていることに、自分の経験からできる最善のアドバイスをしたつもりだ。お母さんは、あなたがやりたいことをやればいいと思っている。あなたのことを奴隷だと思った事は1度もない。愛している。娘にそんなふうに思われていると知って非常にショックを受けている。もしそんなふうに感じていたのだとしたらば本当にごめんなさい。



ステップ4、第3ポジションである第三者の意見。

母親は娘のことを大切に思うあまり、少し過保護になっていたのではないか？人生において、失敗は成長のきっかけにもなるので、生命に危険が及ばないような失敗は優しく見守ってあげたほうがよかったのではないか？愛しているゆえに傷ついてもらいたくないと言う思いが、娘にとっては自由を束縛されたと勘違いされたのは残念だ。



ステップ5、第一ポジションの娘の意見。

お母さんの立場、第三者の立場での見方を経験して、自分の考えが一方的な意見だったことに築けた。お母さんが自分のことを奴隷のように扱っていると言うのは間違った表現だと思った。もしかしたら自分が母親の立場になった場合、自分も同じような行動をとるかもしれないとも思った。

ただ、第三者の意見のように、もう少し私のことを信じて行動を見守ってもらいたかった。お母さんは私のことを嫌いなのではなく、好きだということがわかって嬉しかった。



と言うような、自分以外のポジションを経験することで、物事に対する視野が広がり、相手の立場を考えて、自分の発言をコントロールすることができるようになります。



ポジションチェンジは、その他にも、職場の仲間や友人関係にも応用できます。



多くの人は、自分の立場からしか物事を考えません。自分の経験や価値観、正義感で相手を判断してしまいがちです。



でも、相手には、あなたとは異なる相手の経験や価値観、正義感があることも理解しましょう。



先程の娘と母親のように、お互いの立場で考えることで、関係性が改善されることもあります。



ぜひ、あなたの人間関係の改善のために、ポジションチェンジを活用してみてください。