【信頼感や安心感の築き方】



良いコミュニケーションの基礎は、お互いのラポール構築から始まります。



「ラポール」とは、フランス語で「関係」「交際」「類似点」という意味で、心理学の用語としては、主にセラピストとクライエントの相互の信頼関係のことを意味し、「橋を架ける」というように、心が通じ合い、互いに信頼しあい、相手を受け入れていることを表します。



「ラポール」はカウンセリングをするうえで、最も重要な、コミュニケーションスキルの１つです。



互いの良好な関係を作るために、ラポールを築くことが大切で、まずラポールを形成することで、クライエントも心を開いて悩みを打ち明けやすくなり、スムーズに問題解決に導くことが出来るようになります。



逆にクライアントとラポールが築かれていなければ、クライアントは心を開くことができず、 カウンセラーはクライアントの悩みを解決することができません。



最近ではカウンセリング現場にとどまらず、ビジネスやプライベート、スポーツ現場などの人間関係構築・改善のために用いられることもよくあります。


例えば、ビジネスシーンでも「ラポール」が重要だと言われます。



それは、ビジネスの基本はお互いの信頼関係＝ラポールが大切だからです。



ビジネスで取引を行う場合、価格以上にお互いの信頼関係＝ラポールが重要になります。



なぜなら、お互いのラポールがキチンと築かれていなければ、ビジネスで長い付き合いは出来ないからです。



【ラポールを築く色々な方法】



ラポールを築く有効な方法の1つは、「お互いの類似点を見つける」ことです。



例えば、国を旅行している時、日本語を話している人を見つけると非常に安心感を抱くのではないでしょうか？



例えば、新しい学校に入学した場合、出身地が同じというだけで、その人に安心感を感じるのではないでしょうか？



というのも、人は自分と似た境遇の人に安心感や信頼感を抱きやすいからです。



類似点というのは同じ日本人や同じ都道府県と言う出身地に限定されません。



他にも、女性同士男性同士、同じ受験生同士、同じ趣味を持っている同士、同じ歌手が好きなもの同士、同じブランドが好きなもの同士、ピーマンが嫌いなもの同士、などなど本当に色々な類似点で人はラポールを築くことが出来ます。





ラポールを築く有効な方法2つ目は、「ペーシング」相手のペースに自分のペースを合わせる方法です。



例えば、相手の話すスピードや声の大きさを合わせたりします。



人によって話をするスピードは様々です。機関銃のようにとても早く話す人もいれば、話していると眠くなるほどゆっくり話す人がいます。



早く話す人にとっては、ゆっくり話す人より早く話す人の方が快さを感じます。気楽に、ゆっくり話す人にとっては早く話す人は急かされるようで心が落ち着かないかもしれません。



また、声の大きな人にとっては声の小さい人の話は聞きにくくイライラするかもしれません。逆に声の小さい人にとっては大きな声はうるさいと感じ耳が痛くなるかもしれません。



このことから、早いスピードで話す人には早く話をし、ゆっくり話す人にはゆっくり話をした方がラポールは築きやすくなります。


同じように、大きな声で喋る人に対しては大きな声で返事をし、小さな声で喋る人に対しては小さな声で会話をした方がラポールは築きやすくなります。



ラポールを築く有効な方法3つ目は、「バックトラック」相手が話したことをオウム返しする、があります。



相手との会話の中の重要なキーワードをオウム返しで繰り返すことで、相手は自分の話を聞いてくれていると理解し、ラポールが 築かれます。



例えば、医者と患者の会話を想像してみて下さい。あなたは2人の医者のどちらに診てもらいたいと思いますか？



患者「先生、右の膝の下が、ズキズキと昨日の晩から痛くて眠れないんです。」



医者A「なるほど、〇〇さんは、右の膝の下が、ズキズキと昨日の晩から痛くて眠れないんですね」



・・・・



患者：「先生、右の膝の下が、ズキズキと昨日の晩から痛くて眠れないんです。」



医者B「そうなんですね」



どちらの先生に安心感を感じますか？



私たちは、自分と似たところがある人には「親近感」「安心感」「信頼感」「一体感」を感じやすく、反対に自分と全く接点がない人に対しては「警戒感」「不信感」「嫌悪感」をもちやすく出来ています。



これは、動物としての本能に根ざした反応ともいえます。



その他にも、NLPにはラポールを築くための沢山のスキルがあります。